東京理科大学杖道居合道日誌(新)

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悲劇(観覧注意)

「戦争に備えることは、平和を守る最も有効な手段のひとつである」
とあるソビエト連邦共産党の偉い人はかつて平和に関してこう言及したという。これは防衛線の準備を怠ったそんな悲劇のお話。

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ここは葛飾区の片田舎”亀有”、一人の杖道部員が部活を終え疲れた体を引きずりながら帰宅した。
彼の名は木村静男(きむらやすお)平和を誰よりも愛する青年である。そんな彼が帰宅しリビングへの階段を上ると・・・。
西暦2016年2月18日木曜日17:48、事件は起きた。

リビングに上がると小包と立つ尽くす母の姿があった。彼が帰った旨を伝えると、

「アッ…やすお?!お母さn…おかーさんこれ、おかーさん宛だと思ってね!!あn…あ、少し○×△※◇!!!!でも全然中身みてないから!!!」

脈絡もなく、意味不明な発言をしリビングから出ていく母を怪訝な顔で見送りながらも、彼は小包に視線を向ける。
自分宛、差出人は神(仮)である。当然彼はこのような小包に心当たりは少しも持ち合わせてはいなかったし、品物を神から下賜されるような行動は何一つしていない。
しかし彼はここで異変に気付く。

小包の写真左上をご覧いただきたい。
小包が””開いている””のである。

息子宛ての郵便物を勝手に開けてしまう母親に溜息をつき。小包を開ける。

しかし次の瞬間彼の目に飛び込んできたのはとんでもない光景だった。

小包は、ただの荷物やましてやプレゼントなどではなくパンドラの匣だったのである。

彼には一瞬何が起こったか分からなかった。だがこれだけは分かる。
土木作業中のショベルカーに横薙ぎの一撃を加えられた場合きっとこのような感覚なのだろう。
彼の時は止まった。比喩表現などではなく<<<止まった>>>。
数分ほどして時間は動き出し、いやな汗が全身の毛穴から噴き出す。脳がフル稼働し最悪の事態を警鐘する。

親に”見られた”と。
誤解を解こうとリビングを出て母を探すがもうその姿はなく、気まずさからどこかへ出かけたようであった。
膝から崩れ落ちた彼の姿は、まるで自らの許しを神に請う罪人の様であった。

しかしパンドラの匣の最後には希望があるとされている。


これは神からもうこれで部室には来るなとのメッセージなのか、はたまた別の啓示なのか真相は謎である。何より確かなのは、
平和を誰よりも望んだ青年の心に消えない傷を残した。

ということである。

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かつて理論物理学者の偉い人はこう平和について語ったといわれる。
「平和は力では保たれない。平和はただ分かりあうことで、達成できるのだ。」
と・・・。